千葉不動産コンサルの日進興業㈱

初めてでも失敗/後悔しない家/土地の買い方

INDEX

1.買う前
・持ち家より賃貸の方が金銭的に得な理由
・マイホームを買う前に、優良な収益物件を買うべき

2.買う時
・物件調査は、確認事項の準備と写真撮りが肝心
・旗竿地は、路地部分への駐車の可否に注意
・旗竿地は、ガス、上水道の引込状況にも注意
・公簿面積は信用するな。自分でも巻き尺で測るべき
・境界標なしの物件に注意

3.買った後
・工事業者は、最低3社以上から見積を取得すべき
・解体工事に立ち会うべき怖い理由
・不動産を売る時は、物件情報の公開に注意

持ち家より賃貸の方が金銭的に得な理由

 今回は、不動産に関してよく論争となるテーマの1つですが、持ち家と賃貸のどちらが得かについて考えてみたいと思います。なお、どちらが得かについてはあくまで金銭的な視点、具体的には生涯の累計キャッシュフローの多寡で考えたいと思います。生活をいかに豊かにしてくれるかなどエモーショナルな視点を加えてしまうと、人によって物差しが違うので比べることができません。

 さて、この論争でよく用いられるロジックは、持ち家はローン、賃貸は家賃が毎月かかるが、前者はローンを払い終わった時に資産が残るが、後者は何も残らない。よって、資産が手元に残る持ち家の方が得だというものです。多くの人がこの話を聞いて、ああやっぱり持ち家の方が得なのだと心から納得してマイホームを買ってしまいますが、本当にそうでしょうか。

 私は、このロジックには幾つか抜けているポイントがあると考えています。
1つ目は、持ち家の場合は賃貸の場合にはない、金利という余分なお金を返済期間に亘って払い続けないといけませんが、そこが抜けています。

 もちろん近年はローン金利がかなり引き下げられて1%を切るケースも珍しくないため、かつてに比べると借り手の金利負担はだいぶ軽くなりました。ですが、それでも結構な金額がかかります。例えば、金利1%で3,000万円を借りて35年で返済する場合、利息分は557万円にもなります。現金一括払いの場合は賃貸との差はゼロですが、ローンを利用した場合は金額や期間が大きくなるほど、賃貸と比べた損が大きくなるということです。

 2つ目は、持ち家の場合はローンを払い終わった時の資産価値は、買った時よりもだいぶ下がっていることが多いですが、そこも抜けています。
但し、ここ5~6年は不動産価格が上がり続けているので、例えばリーマンショックの頃に買って2~3年前に売った人の中には、買った時より高く売れたという人もおられることでしょう。ただ今後もずっとこのような状況が続くとは限りません。相場は基本的に上昇と下降を繰り返すものなので、上がった後は下がるのが自然です。

 また、港区や渋谷区、中央区、千代田区のような都心の一等地にある物件を買った人は、物件価格に占める土地の割合が大きく、かつ、土地値が底堅いので、時期に関係なく売却益を確保できるかもしれません。

 3つ目は、持ち家と賃貸では、住んでいる間にかかるコスト(但し、ローン返済や家賃は除く)に大きな違いがありますが、そこも抜けています。
持ち家の場合は、家屋の修繕にかかるお金は全て自分で払わねばならず、大きな負担となります。特に戸建の場合は、修繕費が嵩みます。ご経験のある方もおられるかと思いますが、外壁の塗装などを行うと、直ぐに100万円以上のお金が出ていってしまいます。

 これに対して、賃貸に固有なコストというと、入居時にかかる礼金と更新時にかかる更新料、そして退去時にかかる原状回復費くらいです。原状回復費は、
使い方が悪いと結構かかってしまいますが、そうでなければ通常はクリーニング代、和室がある場合はこれに畳の表替や障子の貼替などの費用が加わる程度です。

 これらを踏まえると、あくまで一般論にはなりますが、不動産価格の上昇期や資産価値の下がりにくい都心の一等地を除くと、概して持ち家は賃貸よりも
損することが多いと言えそうです。ですから、衣食住遊働の「住」よりも他のことにもっとお金を使いたいという人は、マイホームは買わないで一生賃貸住宅に住み続けた方が良いでしょう。

マイホームを買う前に、優良な収益物件を買うべき

 他のコラムで、持ち家と賃貸を比べると、一般的には賃貸の方が金銭的に得するケースが多いという話を書きました。とはいえ、一生家賃を払いながら賃貸住宅に住み続けるのは嫌だ、いつかはマイホームを手にしたい、という方も少なからずおられることでしょう。そこで、今回はそのような方のために、マイホームを手に入れながら、かつ、金銭的な損失もできるだけ抑えるためには、どうしたら良いのかについて書きたいと思います。

 まずは、マイホームを手にすると金銭面でどんなデメリットが生まれるかについて、改めて考えてみたいと思います。直ぐに思い浮かぶものとしては、多くの人は家を買う時にローンを組むので、長きに亘って、ローンの返済をしないといけません。加えて、特に戸建の場合は、時間が経つと色々なところで不具合が出てきますので、そのための修繕が必要となります。これらにより毎月のキャッシュフローは、マイホームを買う前よりも確実に減ることになります。

 もう1つのデメリットは、住宅ローンを一旦組んでしまうと、返済が完了するまでは次の融資を受けるのが難しくなることです。融資の上限となる枠は、その人ごとに大体決まっていますので、先に住宅ローンのために枠を使ってしまえば、他のことにはもう使えないということです。

 特に2つ目が重要です。マイホームを買った後で、例えば、副収入を得るために不動産投資を始めようと思っても、手元に現金があれば良いですが、
そうでない場合は、融資を使おうと思っても使うことができないので、始めることができません。これにより、不動産投資によるリカバリーという道が、無情にも断たれてしまうのです。

 では、どうすれば良いかと言うと、順番を逆にすれば良いのです。つまり、収益物件を買って安定的に副収入を得る仕組みを作った上で、じっくりマイホームを
探して買えば良いのです。収益物件はマイホームのような金食い虫ではなく金のなる木ですから、不動産投資ローンを受けていたとしても、住宅ローンを組む時にはあまり障壁とはなりません。金融機関からは、寧ろ、収入の1つとみなされることの方が多いです。

 このように、順番を逆にすることで、マイホームも手に入るし、副収入も得ることができるのです。但し、世に出回っている収益物件は玉石混交なので、不良物件を掴んでしまうと金になる木ではなく、単なる金食い虫になってしまいます。あくまで買うのは「優良」な収益物件でないと、このロジックは成り立ちません。また、不動産投資ローンの金額が大きすぎると、住宅ローンを受けられない場合もあります。

 あと、収益物件を先に買ってしまうと、マイホームを手にする時期はその分遅くなってしまいます。
映画「マルサの女」で次のようなセリフがありましたが、キャッシュを生み出すための仕掛けを作ろうとすると、どうしても我慢が必要です。

 「あんた、今、ポタポタ落ちてくる水の下にコップを置いて、水を貯めるとするね。あんた、喉が渇いたからって、まだ半分しか貯まってないのに飲んじゃうだろう。これ最低だね。なみなみ一杯になるのを待って、それでも飲んじゃダメだよ。一杯になって、溢れて、垂れてくるやつ、これを舐めて我慢するの。そうすりゃあ、コップ一杯の水は、いつまで経っても一杯のままだ、、」

 それでもマイホームを早く手にしたいという場合は、賃貸併用住宅という手があります。これは、まさに金のなる木と金食い虫をセットにしたような商品です。これであれば、コップから零れ落ちる水滴を舐めながら待つ必要はありません。が、賃貸併用住宅ならではのデメリットもあるので、そこは予め把握しておかないといけません。この記事もそろそろ長くなってきましたので、詳しくはまた他のコラムで書いてみたいと思います。

 さて、その他に金のなる木が小さくても構わないというのでしたら、自宅の庭の一部を駐車場シェアサービス向けに活用したり、或いは、人通りが多いのであれば
飲料の自販機を置いたりという手もあります。

 マイホームを買う前に、見出しに書いてある通りに、必ず優良な収益物件を買わないといけない訳ではありません。大事なのは、マイホームは金食い虫なので、金のなる木を先に考えないと、金銭的にはどうしても損になってしまうことです。多くの人は、マイホームを買うことで得られる果実だけに目が行きがちですが、失うものもあることを頭に入れておかないといけません。金のなる木は、先ほど挙げたように選択肢が色々ありますので、リスクとリターンを両睨みしながら決めていけば良いと思います。

イエベスト不動産投資

物件調査は、確認事項の準備と写真撮りが肝心

 最近はGoogleマップ等の発達により、PCやスマホでも物件の画像を見ることができるため、特に内見ができない競売物件などの場合は、現地に足を運ぶことなく札を入れる方もおられるようです。ですが、それでも現地調査はできる限りやった方が良いというのが私の結論です。

 現地に足を運ぶと分かることとしては、例えば、次のようなことがあります。
1つ目に、視覚的に写真では分かり辛い細かな部分も把握できます。外壁の状況や境界標がどこに打たれているかなど、現地に足を運んでこそ分かることが結構あります。

 2つ目に、騒音や悪臭など写真では分かり得ない情報を掴むことができます。例えば、線路沿いや工場の目の前など、音や臭いに関して懸念がある場所の物件の場合は現地調査が欠かせません。

 3つ目に、最新の状況を掴むことができます。Googleマップは1~2年前の画像が使われているケースが多いので、植栽などは大きく変わっている可能性が高いですし、
建物が古い場合は老朽化がさらに進んでいる場合もあります。またそれ以外にも、これは直ぐに売れそうだとか、ちょっと安くしないと売れなそうだということを、肌感覚で掴むことができます。特に一般個人の方に売る場合は、彼らも直感でまず良し悪しを判断することが多いので、この感覚を購入前に掴んでおくことは大きな意味があると言えます。

 ところで、現地に足を運ぶのに何も準備しないで行くと、特に経験が浅い場合はチェックに抜け漏れが出てしまいます。そうならないためにも事前の準備が必要です。

 事前の準備としては、現地で確認すべきこととできればそれに対する仮説まで考えた上で行った方が良いでしょう。仮説と言っても難しく考える必要はありません。多分こうなっているだろうという仮の答えを持っておけば良いのです。基本的には、会議の前に何を話し合って決めるのかを洗い出す時と同じです。

 事前の準備には当然時間がかかりますが、何も準備しないで行ったけれど、抜け漏れがあったのでまた足を運んでということを繰り返していると、結局その方が
時間がかかってしまいます。一方で、確認事項の洗い出しと仮説作りを事前にやっておくと仕事が飛躍的に早く進むので、同じ時間により多くの仕事をこなすことができます。これは不動産に限らず、どんな仕事でも同じです。また、慣れてくれば、準備にかかる時間もどんどん短くすることができます。

 物件の確認事項については、毎回ゼロからやっていたのでは仕事の効率が上がらないので、ベースとなるものは作らないといけません。一般的、共通的なものは色んな人が色んなものを作っていますが、中でも競売の3点セットは網羅性が高いので、これを元にベースを作るのが良いかと思います。

 毎回ベースのチェックリストを元に確認事項を洗い出し、新たな確認事項が出てきたら、それも足していきます。一方で、これはもう要らないだろうという項目に
ついては削っていきます。すると、自分だけのオリジナルのチェックリストができて、さらに磨きもかかってきます。例えるならば、うなぎの蒲焼きを作る時につけるたれのようなイメージです。

 現地調査に関してもう1つ大事なポイントを挙げると、現地に赴いたらできる限り写真を撮っておくことも重要です。写真は、物件そのものだけでなく、周囲の状況も
撮っておきます。どんなに念入りに調査しても、後になって「○○はどうなっていたか?」と思い返すことがあります。その時に、また現地まで足を運ばなくても良いように、できるだけ隈なく写真を撮っておくのです。

 今回はいろはの「い」のような内容だったかもしれませんが、特に確認事項の洗い出しや仮説作りに関しては、ここまで丁寧にやっている人はなかなかいないと思います。とはいえ不動産は価格も一際高く、ちょっとしたミスが自らの大きな痛手となるので、リスクヘッジのための1つの武器としてご参考にされては如何でしょうか。

旗竿地は、路地部分への駐車の可否に注意

 「旗竿地」という言葉をご存知でしょうか。不動産を買ったご経験のある方でしたら、一度はお聞きになったことがあるかと思います。

 旗竿地とは、道路に接している部分が細長く、その奥に大きな敷地がある土地のことで、竿に付けた旗のような形状をしていることから、このように呼ばれます。なお旗竿地は、路地状敷地や敷地延長と呼ばれることもあります。

 最大のメリットは価格が安いことですが、その他にも道路から奥まっているので、車の騒音や通行人の視線を気にしなくて良い等のメリットがあります。
一方でデメリットとしては、日当たりや風通しが悪い、路地部分が狭いので建築等の工事費が高くなる等があります。

 弊社でも旗竿地を買取再販したことがあるのですが、見出しの通り、路地部分に対する考えが甘かったために、手痛い目に遭うことになりました。


 この物件は、路地部分が10m以上もある旗竿地でした。接道間口は建物を建てるのに最低限必要とされる2mぎりぎりだったのですが、隣も旗竿地で境界に対して左右対称に並んでいました。
隣の旗竿地も接道間口が約2mでしたが、隣地との境界を仕切る塀などは一切なく、見た目は間口4mの細道が入口となっていました。

 このような状況のため、以前の所有者と隣地の所有者との間で覚書が交わされており、路地部分はお互いに共同利用、かつ、車両の通行は可とするが、
駐車は不可とする旨が取り決められていました。

 要は、路地部分は車は通るだけで停められないという物件だったのですが、この他にも越境の問題など厄介な問題が幾つかあったので、買う時には
あまり深く考えないで手続きを進めていました。

 また、駐車に関しては、月極駐車場が直ぐ傍に幾つかあるような状況だったので、そういう意味でも問題ないだろうとたかを括っていました。
しかし、このことがいざ物件を売却しようとした時に、大きな壁として立ちはだかることになったのです。

 物件の取得から2か月後、古家の解体が終わって越境の問題も無事片付いたので、売りに出したのですが、何カ月経ってもなかなか売れません。
客付業者からの問合せは毎日何件もあったのですが、買付が全く入りません。

 社内でまず言われたのは価格が高いのではないかということでした。確かに当初の出し値は、成約事例を元につけたものの、旗竿地としては
やや高めでした。しかし、それから何カ月か経って価格を下げたのですが、それでも状況は変わらず、結局、専門業者に二束三文で引き取ってもらうことになりました。

 暫くしてある客付業者から言われて分かったのですが、どうも路地部分に駐車できないことがネックになっていたようでした。
お客さんに紹介しても、路地部分に駐車できない旨を伝えると、皆、引いてしまって、買付を入れるところまでいかないとのことでした。

 千葉市の場合、住宅地の戸建であれば駐車場はマスト。できれば2台欲しいと言われる土地柄です。
この物件の場合、路地部分を車で通りことは可能なので、敷地部分まで車を持っていてそこに駐車することはできるのですが、そうすると、今度は家屋や庭がその分だけ狭くなってしまいます。買う側からすると、駐車できないのであれば路地部分は道路と同じということで、そこには1円もお金を払いたくないということでしょう。

 そこに住んで生活する人の目線で物件を見ることができていなかったために、痛い目に遭った一件でした。
旗竿地の取得時には、路地部分への駐車の可否にくれぐれも注意しましょう。具体的には、接道間口の長さが駐車に十分か(2mだと厳しく、せめて2.5m、できれば3m欲しい)、また、本件のように路地部分が隣地と接している場合は、共同利用/駐車不可の覚書を結んでいないかも確認すべきです。

 路地部分への駐車不可でも購入する場合は、ちゃんとそれに見合った価格で買いましょう。後で痛い目に遭うのは自分です。

旗竿地は、ガス、上水道の引込状況にも注意

 今回も前回に引き続き、旗竿地についてのお話ですが、今回はライフラインについてです。具体的には、ガス、上水道の配管なのですが、皆さんは不動産を買う時にどこまで注意を払っていますか。

 敷地内への引込の有無については重要事項説明書にも記載があるので、契約の前に仲介業者から説明された時に否応なしに確認することになると思いますが、添付されている上水道やガスの配管図については、目を凝らして確認するということは殆どないのではと思います。

 整形地の場合であれば、そこまでやらなくても問題になることはないと思います。しかし、旗竿地の場合はもう一歩踏み込んで、水道やガスが敷地内への引込みが
どう行われているかまで確認する必要があると思っています。

 なぜならば、旗竿地の場合、建物のある敷地は道路から奥まった場所にあるため、途中まで隣地所有者と共同で引込みを行っていたり、引込みの途中で隣地を
越境している(されている)ことが結構あるからです。

 弊社で旗竿地を買取再販した時も、まさにそうでした。その物件は隣地も旗竿地だったため、途中までは隣接する4件が共同で引込みを行っていて、かつ、
引込管がお互いに越境し合っている状況でした。

 引込管はかなり老朽化していたので、他の共有者は皆、新しい引込管に交換していたのですが、弊社の買い取った物件は長年空き家だったこともあり、引込管が
古いままになっていました。共同引込みの場合に固有の現象ですが、ある御宅で不具合が起きるとその影響が他の共有者にまで伝わってしまう(水道が止まる等)そうで、水道を開栓する前に引込管を交換しないといけない状況でした。

 また、配管がお互いに越境し合っているのも厄介で、本件のように空き家を解体する時に、そのことを知らないまま進めてしまうと、誤って隣地所有者の引込管を
破損させてしまうリスクがあります。

 因みにこれらのことは、買取前に隣地所有者の方に挨拶に伺った時に分かったことで、配管図を見ただけでは全く分かり得ないことでした。
幸いにしてこの時は、事前に把握することができましたが、旗竿地を買う時はここまでやらないと地雷を踏むことになります。

公簿面積は信用するな。自分でも巻き尺で測るべき

 不動産の物件概要書や重要事項説明書を見ると、地積の欄に公簿面積と実測面積という記載がありますが、それぞれの意味や違いはご存知でしょうか。公簿面積は登記簿に記載されている面積、実測面積は実際に測量した面積のことです。

 公簿面積はあるけれど、実測面積はない(が、公簿売買)という場合は注意が必要です。なぜならば、公簿面積と実測面積は一致しないケースがよくあるからです。

 弊社が元付として仲介した物件でも、以前、ヒヤッとすることがことがありました。
その物件は結構古い物件だったのですが、所有者が測量を行っておらず、地積測量図が存在しませんでした。ただ、隣接する土地の所有者はいずれも確定測量を行っており、境界標も全てあったので、隣地との境界自体は明確になっていました。

 そんな状況だったので、引渡までに測量を行うべきか悩んだくらいだったのですが、念のため土地家屋調査士に現況測量をやってもらいました。するとその後、とんでもない事実が発覚しました。なんと実測面積が、公簿面積より1割近く小さかったのです。

 契約書にはあらかじめ実測清算を行わない旨を記載していたので、法的には売主さんに差額を払う義務はないのですが、この時ばかりはさすがに焦りました。
幸いこの時は、買主さんから問い質されるようなことはありませんでしたが、これだけずれが大きいと、契約前にこの事実を知っていたのではないかと詰め寄られてもおかしくありません。

 公簿面積は信用できないとつくづく思い知らされた一件でした。それ以来、元付として仲介を請けた時に、売主さんから地積測量図がないと言われたら、
売りに出す前に必ず自分でも巻き尺で測るようにしています。本件のように大きなずれがあれば、巻き尺で測っても分かるはずです。

 あとこのことは、買主の立場でも覚えておいた方が良いと思います。
契約書に公簿売買かつ実測清算は行わないと記載されていたら、先程のようなことがないとも限りませんので、契約を締結する前に仲介を行う不動産会社に測ってもらいましょう。

境界標なしの物件に注意

 以前に、「境界標はあるけれど地積測量図はない」物件について書きましたが、今回はそもそも境界標がない物件についてです。

 まず境界標とは何かですが、境界の点や線の位置を表すための標識のことで、境界標の頭部には、境界点の位置を特定する印が付いています。


 不動産を購入する場合は、区分マンションの場合は良いですが、それ以外の場合は現地を見に行った時に境界標の有無を確認するようにしましょう。
しかも、境界標の確認は1つ1つ入念に行った方が無難です。全て揃っていると思ったら、一部抜けがあったということもよくあります。1本でも境界標のない箇所があった場合は、土地家屋調査士に測量をしてもらいましょう。

 測量には現況測量と確定測量の2つがありますが、不動産を売却する時は、通常は境界を明確にする旨が契約書に盛り込まれているので、引渡しまでに最低でも
現況測量を行っておく必要があります。

 あと、土地の場合で広さがある場合は、購入後、買主が分筆を行うことがありますが、その場合は通常、引渡しまでに確定測量を行わなければなりません。因みに、現況測量と確定測量の違いですが、前者は現在の土地の状況をそのまま反映させただけの測量なのに対し、後者は隣地所有者の立会い確認や官公庁の図面を元に土地の境界を全て確定させる測量となっています。現況測量は1週間もあれば完了しますが、確定測量は通常2~3か月はかかります。なお、隣地所有者と境界確定の合意ができない場合は、それ以上かかってしまうことも珍しくありません。

 弊社でも土地の売却を仲介した時に、確定測量が順調に進まなくて、随分やきもきさせられたことがありました。
その物件は、売主から予め境界が明確になっていない旨を伝えられていたのですが、駅から比較的近く、かなりの広さだったこともあり、買主が分筆して収益物件を建てることを想定していました。

 なので、引渡しまでに確定測量を終えることが必須となり、契約の後、苦悶の時間を過ごすこととなりました。最悪の事態として、境界の確定ができなかった場合、買主は買えなかった、売主は売れなかった、で済みますが、仲介業者はそれまでの労働に対する対価が全く支払われず、ただ働きになってしまいます。

 なお、なぜ苦悶の時間を過ごしたのかというと、これには理由となる裏話がありました。
それは契約も終わって、売主の方とお会いした時のことですが、おもむろにこんなことを言ったのです。実はあそこの土地は、うちが買う時も確定測量をやってもらったんだけど、1人だけどうしても判子を押してくれない地権者がいたんだよね、と。

 結論から言うと、その方は亡くなっていたので、ごねられることもなく、大事に至ることはなかったのですが、契約から引き渡しまで、なんと5カ月もかかってしまいました。確定測量の成否に関しては、仲介業者が介入できる余地は殆どないと思いますが、境界標がない場合、或いは足りない場合は、なぜないのかについて、売主によく話を聞いておくことが、その後の備えにもつながると思います。

工事業者は、最低3社以上から見積を取得すべき

 今回は、工事業者の選び方についてです。

 不動産会社の場合は、例えば管理している物件の修繕などは、そもそも仕事をお願いする機会が多く、毎回業者選定をやっていたのでは仕事にならないので、毎回決まった業者に仕事をお願いするのが通常だと思います。協力会社という言葉がありますが、まさにそれです。ただ個人の方の場合や、或いは不動産会社でもたまにしかお願いしないような種類の工事で、協力会社では対応できないような場合は、すぐにお願いできる業者がいないので、ネット検索などで業者を洗い出して、見積依頼をすることになると思います。

 さてその時、何件の業者に見積依頼を出すでしょうか。
工事の見積取得は結構手間がかかります。一番大変なのは、業者を探すところだと思います。ネット検索すると、大抵上位に出てくるのは一括見積のサイトだと思いますが、これも1つや2つではないので、どれが良いのか考えあぐねてしまいます。一括見積は中間マージンをとられてどうせ高いだろうから嫌だとなると、さらに大変です。各業者のHPを見ながら、リストを作っていかないといけません。

 業者リストができた後も、まだ面倒な作業が続きます。まずは、業者に電話やメールをして、お願いしたい工事の内容や物件の所在地を伝えた上で、立会いの日程を調整しないといけません。そして、立会いの日には現地に足を運んで、担当者に依頼内容や希望を正確に伝えないといけません。抜けや齟齬があると後で面倒なことになりますが、協力会社のように阿吽の呼吸でという訳にもいかず、事前の準備も入念にしていかないといけません。見積が上がってきたら、それぞれの工事の単価が幾らなのか、自分の希望がきちんと反映されているかといったことを1つ1つチェックしないといけません。

 長くなりましたが、このような作業はうんざりだということで、たまたま自宅にDMが届いた業者にお願いしたりとか、Google検索で一番上位に掲載されている業者にお願いしたり、ということがあるのではないでしょうか。

 でも、ちょっとお待ち下さい。例えば、空き家になった古い戸建の家屋を解体する場合、大きさや道路付け等にもよりますが、どの業者にお願いするかで解体費が
100万円以上違ってきます。たまたま声をかけた1社が、リーズナブルな価格で丁寧な仕事をしてくれる業者であれば言うことなしですが、そうはいかないのが世の常です。

 では何社だったら良いのかですが、最低でも3社は声をかけましょう。一括見積のサイトを活用するでも、1件1件検索するでも、人からの紹介でも、、出所は何でも構いません。3社から見積を取ると、ここは価格が高すぎる(安すぎる)とか、ここはいい加減だということが素人の目でも見えてきます。

 たとえ手間がかかったとしても、何十万円も得することができたとなれば、話は違ってくると思います。また、日々の仕事でその得した分を稼ぐのに比べたら、
そこまで大変なことではないと思います。

解体工事に立ち会うべき怖い理由

 今回は家屋等の解体を業者にお願いする時に注意すべきことについて、書いてみたいと思います。不動産屋が接点を持つ業者というと、清掃業者やリフォーム業者は直ぐに思い浮かぶかと思いますが、解体業者もおります。

 例えば、弊社のような不動産屋が解体業者と接点を持つのは、主に買取再販を行う時です。
買取再販で仕入れる物件は、築浅だと利鞘を抜ける要素がないので、通常は建てられてからある程度時間の経った物件がターゲットになります。物件の保存状態にもよりますが、木造家屋であれば新築から約30~35年までであればリフォームを行った上で、中古住宅として再販するケースが多いです。一方でそれ以上経ってしまうと、リフォームにお金がかかりすぎて原価が市場価格を超えてしまったり、そもそもリフォームを行っても人が住めるレベルまで回復しなかったりするため、家屋は解体して更地として再販することになります。ここで買取業者が現れます。

 また個人の方でも、例えば相続により土地家屋を引き継いだが、家屋は老朽化が進んでそのまま住むのはとても困難という場合は、家屋を解体するために業者にお願いされたかと思います。

 ところで解体の当日ですが、工事への立会いはされましたか。
見積を依頼する時はさほど時間もとらないので、仕事が終わった後や休日などに、現地に足を運んだと思いますが、工事にも立ち会ったという方はあまりおられないのではないでしょうか。

 現地が自宅の近所であれば工事に立ち会った方もおられるかと思いますが、離れている場合は毎日の仕事などもあるので、立ち会うのは難しいかと思います。いつもお願いしていて信頼できる業者であれば、全く問題ありません。ただ、個人の方の場合は、家屋の解体など一生に何度もあることではないので、いつもお願いしている業者というのはいない筈です。

 ということで、個人の方であれば初めてお願いすることになると思いますが、そのような場合は解体工事の当日にはできるだけ立ち会った方が無難です。とはいえ、工事期間中、毎日現地に足を運ぶ必要はありません。大事なのは、家屋の解体が終わった後、地面の掘り返しを行う日です。解体をお願いすると、通常は家屋を壊した後、地中埋設物がないかを確認するために地面の掘り返しをやります。

 弊社でもこれまで何度か家屋の解体を業者にお願いしたことがありますが、地面の掘り返しをやった時に、業者から「地中からガラが出てきた」と言われて、追加費用を請求されることがあります。ガラと言うのは、コンクリートの破片のことで、建て替えをした時など、いらなくなったガラを地中に埋めてしまうことがよくあり、解体工事の後に、地中から出てくることがよくあります。

 弊社の場合は、事務所にいたので、現地の状況は全く分からなかったのですが、現場監督からメールで写真が送られてきて、そこにはガラが積まれたトラック1台が写っていました。そのガラが本当に現地の地中から出てきたものなのか、或いは、よその現場で出たガラを持ってきて、こんなにあったと言っているのかは、勿論分かりません。ただ、お願いする側としては、ガラが出てきたと言われたら、追加費用を払って持って行ってもらうしかありません。悪徳業者は、その弱みを巧みに突いてきます。弊社の場合も、そのままガラを置いて行かれたのでは、次の工事ができないので、追加費用を払って持っていってもらいました。

 トラック3杯分のガラが出てきたからと言われて、追加費用を21万円も請求されました。今思うと、ガラが現地の地中から出てきたのは嘘でないにしても、トラック3杯分はたぶん嘘だったと思っています。写真には確かにガラが積まれたトラックが写っていましたが、あくまで写っていたのは1台です。3杯分あったという証拠はどこにもありません。ただ、嘘だという証拠もないのです。

 さてここからは、こうした悪質行為をどう回避したら良いかについて考えてみたいと思います。まず、工事前に兆候を捉えるという意味では、見積価格が極端に安い場合は注意した方が良いです。弊社が追加費用を請求された時もそうでした。このような業者は、見積の時は受注を確実にするために激安の価格を提示しますが、安くした分を取り返すために、後で追加費用を請求してくる可能性があります。

 次に、今回のお題でもありますが、地面の掘り返しを行う日には必ず立ち会うこと。現地に立ち会っていれば、よそからガラを持ってきて追加費用を請求されるようなことはありません。また、ガラが出てきた場合も、その場に立ち会っていれば過剰に請求されるようなことはありません。追加請求された金額を考えると、1日全てを立会いに費やしたとしても決して損にはならないと思います。

【解体工事110番】

不動産を売る時は、物件情報の公開に注意

 不動産を売却する時に判断すべきことの1つに、売却物件に関する情報をどこまでオープンにするかということがあります。皆さんはマンションや土地を探す時に、まずはスーモやアットホームなどの不動産ポータルサイトを利用されるかと思います。

 ですが反対にそれまで住んでいた自宅を売却する時は、できるだけ他人には知られたくないので、そのようなサイトへの掲載はやめてもらったという方もおられるかと思います。一方で、離れた場所に持っていた土地を売るような場合は、人に知られてもあまり気にならないので、早く売れるように色々なサイトに掲載してもらったという方もおられると思います。

 冒頭に書いたのは、そのようなことを言っています。但し、どこまでオープンにするかはプライバシー保護の観点だけでなく、物件を売る時の価格やそれにかかる時間とも深く関係しているので注意が必要です。今回はこれらも踏まえた上で、オープン化のレベルをどう判断したら良いのかについて、考えてみたいと思います。

 まずは、そもそも不動産を売却する時にはどんなチャネルがあるかですが、大きくは不特定多数に向けた販売と個別の顧客に向けた販売の2つに分けられます。前者は、不動産ポータルサイトに掲載しての販売が代表的ですが、そのようなことはせずに、店の窓ガラスにチラシを貼ってお客を捕まえるのも、このカテゴリーに含まれます。これらは基本的に一般個人向けです。

 もう1つは、物件情報をレインズに登録してそれを見た宅建業者に販売するのも、不特定多数に向けた販売の1つです。レインズと不動産ポータルサイトは被っているケースもありますが、ないケースもあります。例えば、レインズに登録された時に広告不可と書かれた物件は、その業者のHPには掲載されているけれど、不動産ポータルサイトを見ても載っていないということもある訳です。

 次に後者ですが、こちらは買取再販業者やハウスビルダーへの販売が中心になります。あとは、元付として仲介をやる予定だった業者が自社で買い取ってしまうというケースもあります。出物があると普段は他の業者に流しているような場合でも、条件が良かったり、地主からどうしても買い取って欲しいと頼まれたような場合は、そのようなこともあるでしょう。

 次にチャネルを踏まえた上で、オープン化のレベルについて見ていきたいと思います。オープン化のレベルは結構細かく分けられます。
例えば、ネット掲載を可とする場合も、元付のみ可とする場合もあれば、客付も含めて全て可とする場合もあります。またネット掲載も、自社HPのみを可とするか、不動産ポータルサイトも可とするか、紙媒体のチラシはどうするかなど、幾つものレベルがあります。因みに、レインズに登録した場合は、広告の可否に関係なく、宅建業者には広く知られることになります。

 これらは主に、売主のプライバシーをどこまで保護するかという観点で語られることが多いかと思います。また、オープン化のレベルを上げれば早く売れる
可能性は高まりますが、反対にプライバシーの確保は難しくなります。ここでもう1つ注意すべきは、一旦公開してしまうと、買取再販業者やハウスビルダーなどの業者に買い取ってもらうのが難しくなる点です。冒頭で書いた、売る時の価格やそれにかかる時間とも深く関係するというのは、このことを言っています。

 彼らが欲しがっているのは未公開の物件です。因みに不動産業界で未公開と言った場合は、レインズへの登録もなされていない物件のことを言います。なので、宅建業者と媒介契約を結ぶ時に、公開を希望しない場合は、ルール上は一般媒介の契約を結ばないといけません。専任や専属専任の場合は、宅建業法上はレインズへの登録がマストとなっているので、その時点で公開するということになります。

 一旦公開してしまったとしても、思い切り価格を下げれば買い取ってくれると思います。ですが、それでは売主の方が納得できませんので、この方法は現実解にはならないかと思います。とはいえ、一般市場でずっと売れなければ、最後は腹を括って、そうするしかないのですが。

 さて、不動産屋に売却の相談をする時は、色々なパターンで価格を出してもらった方が良いでしょう。優良な不動産屋であれば、そのようなお願いをせずとも
自分から出してくれると思いますが、中にはそこまで手を掛けない不動産屋もいるかと思います。パターンの分け方は色々あろうかと思いますが、一般市場(売出値、下限値)、業者買取(公開前、公開後)、自社買取の5パターンもあれば、検討には十分かと思います。

 一般市場での販売は高値で売れる可能性もありますが、売れるまでの時間は読めません。一方、業者買取や自社買取の場合は早く確実に売れますが、
市場価格よりもだいぶ安くなってしまいます。どれを選ぶかは、その時の状況に応じて判断するしかありません。例えば、相続税を払うための売却であれば、早く確実に売れる後者一択になります。特に急がないという場合は、前者の方が良いでしょう。

 因みに買取再販業者が売却する場合は早く売る必要があるので、ハウスビルダーなどに売るケースが多いようです。彼らは建築の工程で利鞘を抜けるので比較的高く買ってくれるようです。その意味で、業者買取でお願いする場合は、具体的にどんなプレーヤへの売却を想定しているのかを突っ込んで聞いてみるのも1つの手です。嫌な顔をされるかもしれませんが、言うは一時の損、言わぬは一生の損です。

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