千葉不動産コンサルの日進興業㈱

儲かる駐車場/駐輪場を作るための秘訣

INDEX

1.コインパーキング
・コインパーキング投資が個人に広まらない理由
・コインパーキング経営を成功に導く3つのポイント
・コインパーキング機器は、センサー式がおすすめ
・不正出庫の常習犯を特定する方法とは?
・不正出庫の示談交渉は、自分でもできる

2.月極駐車場
・駐車場は料金、立地に加えて、停めやすさも重要
・月極駐車場を満室、収入最大化するコツ
・駐車場シェアサービスは、月極空室への新たな打ち手
・無断駐車の罰金は、払う必要があるか?

3.時間貸駐輪場
・駐輪場ビジネスは、熱しにくく冷めにくい

コインパーキング投資が個人に広まらない理由

 コインパーキングの運営を始めて早7年になりますが、不動産投資がブームとなる中で、コインパーキング投資については個人投資家への普及が今一つ進んでいないように見受けられます。

 書店に足を運んでも、区分マンション投資やアパート経営などに関する書籍は色々と並んでいますが、コインパーキング投資に関する書籍は大型書店でも殆ど見ることができません。また、弊社でも不動産投資をされているお客さんから種々問合せをいただきますが、コインパーキング投資をやっているという話は聞いたことがありません。

 他のコラムでも書いているように、私がコインパーキング投資を始めたのは、上原ちづる氏が書かれた「コインパーキングで年1200万円儲ける方法」という
書籍を読んだのがきっかけでした。そこにはコインパーキング投資がいかに魅力的かということだけでなく、具体的なやり方や上原氏が実際にどれだけ儲かったかまで書かれており、これならば自分でもできそうだ、儲かりそうだと思わせる内容でした。

 当時は、この書籍や上原氏が当時色々な場所で行っていたセミナーをきっかけに、コインパーキング投資がブームになるのではと考えていましたが、7年経ってもその兆しすら見えません。どこにその理由があるのか、自らが7年前に辿った道も振り返りながら、考えてみたいと思います。

 まずですが、土地を借りて行う場合はコインパーキングに適した貸地がなかなかないというのが、大きな障壁としてあるかと思います。
土地を購入して行う場合は、貸地ほど適した物件がないわけではないですが、それでも探すのは結構大変ですし、何よりアパートやマンションと違って、融資を受けるのが容易ではないです。

 この2つの障壁を克服できれば、コインパーキング投資を実行に移すことはできます。ただ、実際にやってみて分かったことですが、そんなに儲かりません。

 なぜかと言うと、例えば、都心の場合は高収入を期待できますが、そもそも土地値が高いので、利回りで見ると低くなってしまいます。中には、神保町や目黒、表参道などのように、高利回りを期待できるエリアもありますが、そもそも土地が流通していなかったり、あっても現金で買える価格でないという状況です。

 地方に行くと、逆に土地値は安くなりますが、収入も下がってきます。その意味で私の運営している柏は、今思うとかなり条件が良かったと思っていますが、
それでも、収入÷(物件価格+税金+仲介手数料+古家解体+舗装+駐車場機器)で計算すると、10%に届いた年はありません。7年間で最も良かった年でも、9%台止まりです。上記は収入で計算していますが、収入から電気代や駐車場機器の保守費などの経費を控除すると、利回りはもっと下がってしまいます。

 コインパーキング投資は、アパートやマンションと比べると稼働率は比較的安定していますが、他のコラムでも書いた通り、コインパーキングに固有の問題として不正出庫の問題があり、結構厄介です。このように、用地確保や融資の問題があって参入障壁が意外と高いのと、苦労してそれを乗り越えても、さほど利回りが高いわけでもないところが、コインパーキング投資が個人投資家に今一つ広まらない理由かと思います。

 結局、コインパーキング投資は、遊休地を持て余して困っているといった時に、収益化の1つのオプションとして位置づけるのが現実解だと思います。
まだ土地を確保できていないというような場合は、無理してコインパーキング投資をやろうとするより、中古の戸建を安く買って貸家をやるなどの方が長い目で見ても成功する確率が高いと思います。

 コインパーキング投資にこだわると、いつまで経っても初めの一歩を踏み出せず、時間を浪費してしまうことになりかねません。
よく言われるように、不動産投資は初めの一歩が肝心ですので、どこに投資するかの戦略は十分練ってから始めるようにしましょう。

コインパーキング経営を成功に導く3つのポイント

 特集記事で、コインパーキングを自分で立ち上げて運営している話を書きましたが、ここではコインパーキング経営を成功させる上でのポイントについて考えてみたいと思います。なお、私の場合は用地を購入しているので、特に断りのない場合はその前提で言っているとお考え下さい。

 理解を簡単にするため、フェーズ毎に考えてみたいと思います。一般に事業のフェーズは、立上げ時(入口)、運営時、撤退時(出口)の3つに分けられます。
それぞれのフェーズで大事なポイントは、次の通りです。

 まず立上げ時ですが、コインパーキングのための用地確保が最大の山です。用地さえ確保できれば、あとはさほど大きな障壁はないと言っても、言い過ぎでは
ありません。とはいえ、車を停められればどんな土地でも良いかというとそうは問屋が卸さなくて、コインパーキングに適した土地でないと意味がありません。

 具体的には、短時間の駐車ニーズがあるか、用地としての収容力があるか(何台停められるか。遊んでいるスペースが多くないか)、スムーズな駐車が可能か、周囲に競合が犇いていないか、など様々な面からコインパーキングに向いているかを見ていく必要があります。因みに、競合に関してはたくさんいすぎるのも問題ですが、全くいないのも考えものです。そもそも駐車場としてのニーズがない可能性もあるからです。駅や商店街の近くは大抵ニーズがありますが、住宅地になるとニーズにも濃淡が出てくるので、外れを掴まないよう注意しないといけません。あとは、それらを踏まえて、最終的に目標以上の利回りを確保できるのかも見積っておく必要があります。

 コインパーキングの場合、準備の良し悪しで事業の成否の7割が決まると言われています。一旦運営を開始したら、やり直しはできないので、準備は相当念入りに
行わないといけません。また、用地の確保が難航して、時間をかけても良い土地が見つからないという場合は、諦めるという選択肢も視野に入れておかないといけません。なぜならば、お金はその後の頑張りでリカバリーが可能ですが、時間はそれができないからです。

 次に運営時ですが、プライシングによる稼働率のコントロールが非常に重要です。利用料の単価を上げれば、台当たり、時間当たりの売上は増えますが、だからと言って単価を上げすぎてしまうと、稼働率が下がるのでトータルでは売上が減ってしまう可能性もあります。逆もまた同様で、利用料の単価を下げれば稼働率は上がりますが、時間当たりの売上が減るのでトータルではさほど売上が増えないかもしれません。料金単価を決める時は、周囲に同業他社の駐車場がどのくらいの距離の所にどのくらいあるか、彼らが幾らで提供しているかなどをベンチマークした上で、考えないといけません。

 最後に撤退時ですが、用地をいかに高く売り抜けるかがポイントになります。
用地を売る時に何も考えずに機器を撤去して更地にしてしまうと、撤去にもコストがかかりますし、場所によってはさほど高く売れないかもしれません。例えば、コインパーキングとして上手くいっているのであれば、オーナーチェンジの収益物件として売却するのも1つの手です。

 収益物件の場合はエリア毎に利回りの目安が決まっていますが、足元の売上をこの利回りで割って出てきた金額が、更地としての市場価格を大きく上回る場合は、
収益物件として売った方がお得です。収益力が高いうちは売却しようとは思わないかもしれません。しかし、生涯利益で見ると、長く運営して収益力が下がりきってから二束三文で売るのであれば、高いうちに売った方が、より多くの儲けを確保できる場合もあります。

 簡単でも良いから、一度はシミュレートしておいた方がよろしいかと思います。さて、それぞれのフェーズで押えるべきポイントを書きましたが、前の2つだけでなく撤退時もかなり重要です。出口で下手を打ってしまうと、つまり売却損が膨らんでしまうと、立上げ時や運営時の折角の努力が水の泡になってしまうこともあるからです。

 ビジネスの検討段階では、立上げや運営のことを考えるのに精一杯で、撤退時のことまでは頭が回らないかもしれません。先のことなので不透明なことも多いですが、それでも分かり得る範囲で良いので可能な限り情報を収集した上で、最後の出口をどのようにして、どのくらいの収益が見込まれるのかをシミュレートしておくことが大切です。そうすれば、先のことは分からないからと言って、何も準備していなかった人とは格段の差が出る筈です。

コインパーキング機器は、センサー式がおすすめ

 前回は、コインパーキング経営の戦略について書きましたが、今回は機器の選び方について書いてみたいと思います。コインパーキングの機器は、大きくゲート式、ロック式、センサー式、前払い式の4つがあります。

 ゲート式は、駐車場の出入口にゲートがあるタイプです。入庫時に駐車券を受け取るとゲートが上がり、出庫時はその駐車券で精算を行います。精算方法は、車に乗ったままゲートで料金を払うタイプと、精算機で料金を払った上で、ゲートで駐車券を入れて出庫するタイプがあります。

 ロック式は、各車室にロック板が置かれているタイプです。入庫時は車室内に車を停めるとロック板が上がって課金が始まります。出庫時は、精算機で料金を払うと
ロック板が下がって、車を外に出すことができます。

 センサー式は、ゲート式やロック式と違って車の出庫を制止する機器はありません。代わりに車室毎にポールセンサーを立てて、カメラやセンサーにより
車のナンバーを認識して管理を行います。

 前払い式は、精算機のみで運営されるタイプで、そもそも車両を検知する機器がありません。利用者は、予め駐車する時間分のチケットを購入した上で、
車の外からも見える位置にチケットを置き、時間内に出庫します。

 このようにコインパーキングの機器は種類も多岐に亘っていますが、ゲート式や前払い式は採用が特定のケースに限られています。
ゲート式は、主に収容能力の高い大型の駐車場や商業施設の中にある駐車場で採用されています。前払い式は、短期の運営を考えている、短時間の駐車需要が小さいなど、他の方式だと採算が合わない場合に採用されることが多いようです。

 これらの実態も踏まえて、ここではロック式とセンサー式にフォーカスして、どちらがよりお得なのかを考えてみたいと思います。また、両者を比べるにあたっては、コスト、ユーザの利便性、セキュリティの3つの面から見ていきたいと思います。

 まずはコストですが、イニシャルコストに関してはさほど違いはないようです。私自身もある機器メーカから同一条件でロック式とセンサー式の機器の見積をとった
ことがありますが、やはりほぼ同額でした。ランニングコストも、保守に関しては、録画データの保管、管理を外部に委託するとセンサー式の方が高くなりますが、そうでなければ殆ど違いはありません。

 両者で違いがあるのは、機器の不具合が起きる頻度です。定額の保守契約を結んでいればコストとしての差はないですが、ロック式は車が入庫したのにロック板が
ちゃんと上がらないなど、ロック板がよく不具合を起こします。精算機もレシートが発行されないなど、不具合がよく起きますが、どの方式にもあるものなので方式毎の差にはつながりません。あとは、コストとしての差はあまりないかもしれませんが、センサー式はロック式に比べると撤去が簡単です。

 次にユーザの利便性です。一目瞭然ですが、センサー式はロック板のように駐車を邪魔する物がないので、車を停めるのが楽です。ロック式だと、車高によっては車体に傷を付けてしまう可能性がありますが、センサー式であればその心配もありません。一度でもそのようなことが起きると、場合によっては利用者から損害賠償を請求されることもありますので、色々と厄介です。

 最後にセキュリティですが、コインパーキングの場合は主に不正出庫への対応です。センサー式の場合はカメラで常時監視しているので、不正出庫があった場合は直ぐに犯人の車両を特定することができます。ロック式の場合も、いつ、どの車室に停まっていた車が不正出庫をしたかまでは分かりますが、車両の特定は非常に難しいです。

 他のコラムで書いたように
常習犯であれば、当たりをつけて写真を撮り、後で精算機の逃避データと照合すれば特定できることもありますが、手間が半端ではありません。私の場合は、そのようにして常習犯を特定し、損害賠償を請求する処までやりましたが、その件が片付いてからも不正出庫がなくなることはないので、根本的な問題解決には至っていません。

 なお、ロック式の場合は、料金不払いによる損害よりロック板の故障による損害の方が深刻です。不正出庫が行われると、多くの場合、ロック板を無理やり踏み倒して
出庫するので、モータが故障してしまいます。私が契約しているメーカの場合は、モータが故障すると、毎月定額で払っている保守代とは別に部品代が発生してしまいます。その額たるや1回につき3~5万円。毎月の収入が10万円前後なので、結構大きな痛手となります。セキュリティに関しては、ロック式も防犯カメラをつけることで上記のような問題をだいぶ解決することができますが、そうすると今度はイニシャルコストがセンサー式よりも遥かに高くなってしまいます。

 以上から、コストについてはさほど違いがないけれど、ユーザの利便性、セキュリティについてはセンサー式がかなり優位に立っているということがお分かりになったかと思います。特にセキュリティに関しては、不正出庫が頻発すると、金銭的な損失が少なくてもあまり気持ちの良いものではありませんので、新規の開発や機器の入替の際はセンサー式も検討されてはいかがでしょうか。

不正出庫の常習犯を特定する方法とは?

 以前に他のコラムで、コインパーキングを運営する中で避けられない厄介な問題として、不正出庫の話をしました。そこで不正出庫を未然に防ぐ方法は、ほぼ防犯カメラに限られるという話をしましたが、では、不正出庫が起きてしまった場合に未払の料金を回収するには、どうすれば良いのでしょうか。

 まずは、不正出庫をした車両を特定しないといけません。防犯カメラがあれば、精算機で不正出庫が行われた時刻を特定し、その時間の映像を見れば、不正出庫をした車両のナンバーを押えることができますが、防犯カメラがないとなると結構大変です。精算機により不正出庫があった時刻と車室番号を押えたら、次にその車両がやってきそうな日時に現地に行き、駐車されている車両全ての写真を撮ります。

 そして、後日また不正出庫の記録を精算機から取り出し、以前に撮った写真と照合することで、犯人を割り出します。なお、この方法だと短期間に何回も不正出庫をしているようなかなり悪質な常習犯でないと、なかなか特定することはできません。防犯カメラがない場合は、1回や2回、単発的に不正出庫があっただけでは、残念ながら犯人を押えることはできないのです。コインパーキングが自宅のすぐ近くにあって、1日に何回も現地を巡回できれば良いですが、それでも単発犯の特定は難しいと思います。

 次に犯人の車両ナンバーを特定できたら、誰がその車両の持ち主なのかを調べることになります。が、ここに大きな山が立ちはだかっています。昔は自動車登録番号(車両ナンバー)が分かれば、陸運支局や自動車検査登録事務所で「登録事項等証明書」を入手することができましたが、2006年11月19日以降は特別な請求理由がある場合以外は、自動車登録番号(車両ナンバー)、車台番号下7桁、請求者の本人確認書類、請求理由がないと入手できなくなりました。車台番号は車検証かエンジンルームにしか記されていないので、車両の所有者以外が把握することは困難です。

 そうなると打ち手は限られてきて、警察に相談するか、弁護士に照会してもらうかのどちらかしかありません。
弁護士は上記のややこしい手続きを踏まなくても、職権で登録事項等証明書を入手することができます。しかし、ご存知の通り、弁護士にお願いするとかなりの費用がかかります。

 私も弁護士ドットコムを利用して概算見積を出してもらいましたが、「車両ナンバーの特定+内容証明郵便による警告」をお願いするだけでも33,000円かかります。さらにこれに犯人との示談交渉を加えると、弁護士にもよりますがざっと20~30万円はかかってしまいます。私の場合は、未払料金を合計しても2~3万円にも満たない状況だったので、弁護士の利用は早々に諦めて、警察に相談することにしました。

 コインパーキングの不正出庫の場合、都内の商業地でもない限り、常習犯によるものだったとしても未払料金が10万円を超えることはなかなかないと思いますので、損害賠償金として慰謝料を請求できたとしても、弁護士を利用すると赤字になってしまうケースが多いと思います。頑張って車両ナンバーの特定までできたら、コインパーキングのある地域の所轄の警察署に行って相談するのがベストだと思います。

不正出庫の示談交渉は、自分でもできる

 前回のコラムで、コインパーキングにおいて不正出庫が行われた時に、どうやってその車両を特定したら良いかについて書きました。今回はその続編として、車両を特定した後、どうやってその持ち主を明らかにし、また、持ち主に補償してもらうかについて書いてみたいと思います。前回と同様、今回も自らの経験を元に、ご紹介します。あくまで自分の場合はそうだったという話なので、どんな場合もそうなるとは言い切れないですが、リアルな話なので参考になる処もあるかとは思います。

 まずは車両の持ち主をどう明らかにするかですが、こちらは前回のコラムでも書いた通り、警察にお願いすることにしました。警察署に行くと、まず窓口(警務課)で用件を聞かれます。概要を伝えると「○○課に行って下さい」と指示をされます。私の場合は、刑事課に行くように言われました。刑事課で状況を説明した後、先方から聞かれたのは次の3つです。1つ目は罪状を何にするか、2つ目は不正出庫をした車両を特定できているか、3つ目は犯人にはどうしてもらいたいか、です。

 まずは1つ目です。この質問をされたのは、私が不正出庫の件に加えてロック板の不具合についても話をしたからだと思いますが、いずれにしても捜査を行う
場合は、罪状を特定してから取り掛かるのが普通のようです。言われてみれば当たり前かもしれませんが、やや目鱗でした。因みに、本件の場合は威力業務妨害と器物損壊の2つが想定されましたが、後者は踏み倒しとロック板の不具合における因果関係がはっきりしていなかったので、まずは前者で捜査してもらうことにしました。

 次に2つ目です。この質問は事前に想定していたので、精算機の逃避データと不正出庫があった時間の現場の写真を準備していきました。すると、俄かに顔が綻んで、「では、こちらを元に車の持ち主を調べて、まずはその方に話を聞いてみます」となりました。逃避データだけでは車両を特定するために張り込みをしないといけないですし、逆に現場の写真だけあってもエビデンスがないので、結局、裏付けを取らないといけません。

 それらのプロセスを省けたのは幸いでした。そもそもそこがなかったら、今でも解決していなかったかもしれません。
刑事ドラマを見ていると「素人は、捜査に首を突っ込むな」という定番のセリフがよく聞かれますが、自分でもできることはやっておいた方が、解決までの時間を早めるには良いようです。

 最後に3つ目です。これもある程度は想定していました。選択肢としては、罰を受けさせる、示談交渉により金銭で補償してもらうの2つがありましたが、
まずは収入の毀損を何とかしたいと思っていたので、後者で進めてもらうことにしました。

 あとは、ちょっとした驚きでもあったのですが、当初、警察には被害届を出したいということで相談したのですが、実際にはそのような形での受理はなかなかしてくれないようです。理由としては、民事事件と判断される場合、客観的な証拠が不十分な場合、被害が軽微かつ時間が経過している場合の3つが代表的ですが、今回の場合は1つ目が該当していたので、それもあって受理されなかったのでしょう。因みにこの時は、不正出庫に関する情報提供がなされたという形で処理されました。

 次に持ち主にどう補償してもらうかですが、持ち主が普通に話し合いできるような状態であれば、弁護士等を入れず直接交渉するで構わないと思います。
警察は民事不介入なので示談交渉には一切タッチしませんが、持ち主への尋問で、お金を払う意思があるかやコミュニケーションが普通に取れるかは確認してくれます。

 警察から連絡があった時に、特に問題ないとのことであれば、持ち主との交渉に進んで大丈夫です。ここで弁護士に丸投げしてしまうと、お金を取り戻すどころか
持ち出しになってしまうので、もう少し頑張って自分でやってみましょう。

 示談交渉は電話でやります。警察から連絡があった時に、相手の連絡先も教えてくれるので、そこに電話をかけます。
本件の場合は、不正出庫の回数についてお互いの認識がずれていたので、そこを合せるのに苦労しましたが、それさえ決まればあとは示談書を作って郵送するので、確認して欲しいと伝えておしまいです。

 示談書は通常は加害者が作るのが普通とされていますが、こちらで作りますと言って、相手に主導権を渡さないことがポイントです。示談書は、事件の概要、相手への請求金額、振込期日、示談書の記載した以外の債務が存在しないことの4つがあれば、あとはどんな書式でも構いません。

 また相手への請求ですが、弁護士によると、通常は未払金だけでなく慰謝料を請求するのが常習的のようです。慰謝料は、損害賠償の種類の1つです。本件の場合は、被害の状況から見て10万円を超えない範囲であれば、問題ないでしょうとのことでした。なお、本件のような場合に調査費を請求する人がいますが、調査は相手の同意を得ないでやったことなので、費用の請求はできないとのことです。

 不正出庫は1回当たりの損害はさほど大きくないので、仕方ないかと諦めがちですが、放っておくと犯行を常習化させて、自分も相手も不幸の溝を深くすることに
繋がってしまいます。手間はかかりますが最後の示談交渉までやり切れれば、それまでの損害をリカバリーすることができますので、諦めないことが肝心だと思います。

駐車場は料金、立地に加えて、停めやすさも重要

 今回は、ユーザが駐車場を選ぶ時に重視するポイントについて書いてみたいと思います。結論から言うと、駐車場は料金や立地は勿論ですが、駐車のしやすさもかなり重要です。

 これは、月極でもコインパーキングでも基本は同じです。
弊社でも駐車場の管理をやっているのでよく分かりますが、車をスムーズに停められないと、コインパーキングの場合は稼働率の低下につながりますし、月極の場合は解約につながることもあります。ですので、駐車場のレイアウトはよく考えて作らないといけません。また一旦運営を開始してしまうと、駐車場をやめるまでなかなかレイアウトを変えられないので注意が必要です。

 このようにレイアウトは結構大事なのですが、実際やってみると、うっかりミスをしてしまいがちです。料金は、運営前の入念な市場調査が大事なのは言うまでもないですが、ミスに気付いたら運営中でも変更できるので、さほど大きな問題にはなりません。また、そのようなことがなかった場合でも、近所に新しい駐車場ができたなど外部環境の変化があれば、それに合せて変えていかなければいけないものです。

 立地は、その地でやり続ける限りは変更が利きませんが、そもそも土地ありきでやっているので操作性がなかったり、或いは土地を探して始める場合も、
立地から考えるのが普通なので、レイアウトのようなうっかりミスというのはあまりないものです。

 駐車場のレイアウトで決めることは、主に次の2つです。1つは収容能力で、要は何台駐車できるようにするか。もう1つは車室のサイズや配置で、車の停めやすさに
繋がります。両者はトレードオフの関係にあるので、どう上手くバランスをとるかがポイントです。例えば、車室のサイズは2.5m×5mが標準とされていますが、いずれかの長さを少し削ると収容台数が増えることはよくあります。同様に、車はやや停めにくくなるが、車室の配置を少し変えるだけで収容台数が増えるということもあります。

 あとは、駐車場の前方、後方の両方が道路に面している時に、前後両側から車が進入できるようにするか、片側だけにするかというのもよく論点になります。前後両方からスムーズに入れる場合は迷わず前者を選べば良いですが、例えば、後方の道路が狭くて入りにくい場合などは、前者、後者のどちらにすべきか悩ましいものです。

 収容能力を優先すると前者になりますが、後方からだと入りにくくて、結局前方から入れる車室しか埋まらないとなると、多少車室の数が減るとしても、
後者の方が正解となります。3つ目の場合は特にそうですが、レイアウトを決める前に必ず自分で駐車してみることが大事です。建物を解体して地面を掘り返したので、舗装しないと車が入れないという場合は、少々お金が余計にかかったとしても、一旦舗装して駐車を試してからラインを引くことをお勧めします。

 このように車室の数は売上金額の多寡に直結するので、できるだけ多くしたいという気持ちに駆られるものですが、そこをぐっと堪えて作らないと後が大変です。無理に車室を増やしたがために、どの車室も駐車しにくいとなると、全体の稼働率にも影響が出てきます。コインパーキングの場合も、長くやっていると常連さんができてきます。料金だけでなく停めやすさにも気を配ってお客さんを定着させることが、経営の安定にもつながります。

 土地ありきの場合は、ある土地をベースにレイアウトを考えるしかないのですが、土地探しから行う場合は、レイアウトを考えながら土地を探すことが大事です。商店街から近い、車両の交通量も多い、近所に競合も少ない、、と好条件が並ぶと直ぐに買いたくなってしまうものです。ですが、前面の道路が狭く、何回も切り返しをしないと車を停められないというような場合は、たとえ涎が出ても買うのを我慢しないといけません。

 立地が良くて、収容能力と停めやすさも両立するような物件は、角地だったり、間口が広かったりと、宅地としても条件が良いので、高値になりがちです。
宅地としての需要は低いけれど駐車場としての条件は全て満たしている、というような土地はなかなかありません。立地、停めやすさ、収容能力の3つがどうしても揃わない場合は、やはり、3つ目の収容能力は妥協しないといけません。但し、収容できる台数が減ると当然売上も下がりますので、土地を不整形地にして投資額を抑えるなどの工夫が必要です。

 土地ありきで駐車場をやる場合は、消極的な理由で始めることが多いので、さほど欲張りになることはないかもしれません。寧ろ、危ないのは収益物件として積極的に駐車場を考えている時でしょう。そもそも駐車場は、アパートやマンションのように巨額の投資をして始めるものではないので、さほど大きな見返りが期待できるものではありません。そこをよく理解した上で欲張らずに手堅くやることができれば、失敗することもなく、そこそこ儲けを出すことができるかと思います。

月極駐車場を満室、収入最大化するコツ

 月極駐車場を経営されている方の中には、思うように空室が埋まらなくて悩んでおられる方もおられるかと思います。空室が埋まらない理由は様々ですが、大雑把に分けると次の4つに収斂するかと思います。

 1つ目は、そもそも駐車場の存在がお客に認知されていない。2つ目は、駐車場は認知されているが駐車の需要がない。3つ目は、駐車の需要はあるが、賃料が高い
ので周辺の駐車場にお客を取られている。4つ目は、賃料は周辺の駐車場と同等だが、駐車し易さなど価格以外で劣後しているためにお客をとられている。

 1つ目は、月極駐車場は大抵は近所の住民がお客となるので、案内看板を立てていないとか立てたけれど管理会社の連絡先を書いていないということがない限り、時間とともに認知度が高まっていく筈です。

 2つ目は、都心で車を持つ世帯が殆どいないような地域や、逆に地方でどの世帯も車をおくスペースが十分にあるような地域であれば、殆ど需要がないことも
あり得ますが、そうでなければ大抵は需要があります。後者の場合は駐車場を畳んだ方が良いですが、前者の場合はコインパーキングにすることでより大きな収入を得ることが期待できます。

 3つ目は、まさに今回の中心テーマですが、空室が埋まらない理由の殆どはここにあると考えています。詳しくは、あとで説明します。

 4つ目は、車室が狭くて車を停めにくいとか、大通りに面しているので車の出入りがしにくいなどが考えられます。ラインの引き直し等により改善する場合も
ありますが、そこまでやると費用もかかって大変なので、大抵は価格を下げることで競争力を補っているかと思います。

 では、月極駐車場の賃料をどのように設定したら良いかについて考えてみたいと思います。
まず、月極駐車場を利用するお客ですが、空室が埋まらない理由の1つ目でも書いたように、基本的には近所に住んでいる人や働いている人が対象となります。その中でどんな人がお客として契約してくれるかですが、駐車場ができたのを機に車を買ったとか、車を買った時に駐車場がちょうどできたというお客さんはごく稀です。

 大半は、それまでは他の駐車場を借りていたが、自宅からもっと近い場所に駐車場ができたので、移ることにしたというお客さんです。
そのため、競合する既存の駐車場より賃料を高く設定してしまうと、お客はなかなか移ってきてくれません。今までより余分にお金を払ってまでして、近くの駐車場を借りる必要はないと考えるからです。

 ところが、賃料が同等になると、移ろうというお客さんがかなり出てきます。ただ、賃料が全く同じならば、手続きが面倒臭いし、初めに礼金や仲介手数料を払わないといけないから嫌だというお客さんもまだいます。

 このような時に、お客さんがどう動くは、自宅からの距離の差がどのくらいかも大きく関係してきます。価格を下げると、その下げ幅にもよりますが、
大きく下げた場合や近くに駐車場がなかった場合は、今度は一気にお客さんがなだれ込んできます。こうすれば確かに空室は埋まりますが、経営者としての究極の目的は収入を最大化することなので、これではベストとは言えません。また、相場より安値でお客さんを入れてしまうと、そのお客さんが解約しない限り、事実上、賃料を上げられないので注意が必要です。

 収入の最大化という意味では、最初は周辺の駐車場よりも少し高めで募集し、お客の入りの状況を見ながら、少しずつ賃料を下げていく、或いは初めから
周辺と同じ賃料で募集するのがコツです。時間差があるかとは思いますが、これにより、空室の問題もいずれ解決に向かっていきます。

駐車場シェアサービスは、月極空室への新たな打ち手

 弊社では、社有、外部委託の両方を合せると、十数か所の月極駐車場を管理しています。月極駐車場の管理は、建物や機器などがないので修繕も必要ないですし、月額の賃料も高くて1万円ちょっとなので滞納も殆どありません。このように月極駐車場は、戸建の貸家やアパートに比べると仕事の負担はずっと軽いのですが、唯一悩ましいのが稼働率の管理、つまり、空室をできるだけ減らすことです。

 駐車場は、住居に比べて契約更新や解約予告の期間が短いので、お客さんも何かあると簡単に解約してしまいます。例えば、付近に新しい駐車場ができて、そこの方が賃料が安かったり、或いは、自宅からの距離が短かったりすると、お客さんは解約してそちらに移ってしまいます。引っ越し作業も要らないので、良い条件のところがあれば手軽に移れてしまうのが、住居との大きな違いです。

 一方で、駐車場の近くに何かの営業所などができると、社用車を停めるために一度に5台とか10台の申し込みがくることも珍しくありません。その時にちょうど空きがたくさんあれば良いですが、そういう時に限って空きが殆どなく、折角のチャンスを逃してしまうこともあります。

 このように、月極駐車場は解約のハードルが低く、また、契約者の数が多いことから、住居に比べて稼働率の管理が難しくなっているように思われます。
しかし、駐車場経営では空室は収入の低下に直結するため、オーナーや管理会社はこの問題を避けて通るわけにはいきません。空室を放置すれば、自らの食い扶持を減らすことになります。

 さて、ここからは打ち手について考えてみたいと思います。これまでは駐車場に空きが出ると、どうやって埋めるかという視点で対応を考えるのが普通でした。
打ち手はだいたい決まっていて、大きくは、認知度の向上に関するものと料金の見直しの2つに分けられます。

 前者は、具体的な打ち手になると様々なものがあります。立て看板での広告やチラシのような古典的なものから、自社HPでの紹介、駐車場ポータルサイトでの募集、
Googleマップへの掲載にような今風のものまで、色々あります。一方で後者は、賃料の引き下げが代表的ですが、その他、礼金や仲介手数料の免除、フリーレントなどがあります。

 前者は、月極駐車場としての需要はあるけれど十分に認知されていない場合には有効ですが、そもそも月極駐車場としての需要がない場合には効果がありません。
後者も同様です。需要がなければ、料金等を見直しても空室は埋まりません。

 そんな時に有効な打ち手となるかもしれないのが、駐車場シェアサービスです。例えば、タイムズが提供する駐車場シェアサービスでは、1日単位で車を停めたいユーザに貸し出しをするので、月極の需要はないけれど1日や数日、1週間など、より短期の需要はあるという場合は、有効な打ち手となります。

 このサービスの良い所は、月極駐車場の募集をしながら、契約者が決まるまでの期間も収入を得られることです。月極の契約者が決まると、予約がなければ即日、
ある場合も最長で2週間待てば、シェアサービスを止めることができます。なので、前半で挙げたような認知度向上や料金見直しともかち合うことがなく、同時並行で手を打つことができます。

 タイムズの場合は、オーナーや管理会社は投資レスで行うことができます。また、コインパーキングと違って機器も必要ないので、手早く簡単に始めることが
できます。収入の配分は、胴元のタイムズが4割もらうことは決まっているので、あとはオーナーと管理会社でどう分けるかですが、よほどパワーバランスに偏りがなければ折半とするのが常習的かと思います。

 つい2~3年前まではなかったサービスですので、興味がある、手を打っても改善しないなどという場合は、新たな取組みとして検討されてはいかがでしょうか。

無断駐車の罰金は、払う必要があるか?

 駐車場に立てられた看板を覗いた時に、「無断駐車をした場合は、罰金○万円を申し受けます」と書かれているのを見掛けたことがあるかと思います。或いは、近くに駐車場がないので私有地に車を停めたら、同じ趣旨の張り紙をされたという方もおられることでしょう。

 ところでこの罰金ですが、もし無断駐車をしてしまったら、本当に払わなければいけないのでしょうか。中には、自分は実際に払ったことがあるという方もおられるかもしれません。しかし、そのような場合でも、駐車場のオーナーから罰金を科した理由について、きちんと説明を受けたという方は殆どおられないのではないでしょうか。

 そこで今回は、あるあるだけれど多くの方が誤解していると思われるこのテーマについて、考えてみたいと思います。まずこの警告が法的な拘束力を持つか否かということを言う以前に、この警告は言葉の使い方からして間違っています。罰金とありますが、罰金はそもそも国や自治体が科すものなので、一般人が科すことはできません。

 では、罰金ではなく違約金と書いてあったら払う義務があるのかと言うと、それもまた違います。駐車場内の看板に違約金に関する条項がはっきりと記載
されていたとしても、利用者がこれに合意したとは限らないので、契約としては成立しておらず、結局、お金を払う義務はないとされるケースが多いようです。但し、利用者がお金を払ってしまった場合は有効となります。なので、払ってしまった後で、この件は無効だからお金を返してくれと言っても、少なくとも相手にはこれに応じる義務はないという訳です。

 ならば、無断駐車をしても全くお金を払わなくても良いのかというと、そうは問屋が卸しません。無断駐車は他人の土地を勝手に占有する行為なので、民法上の
不法行為が成立します。ですから、無断駐車をした人には、駐車場のオーナーが被った損害を賠償する責任が発生します。但し、ここが大事なポイントですが、損害賠償の金額は駐車場のオーナーが任意に設定できる訳ではありません。あくまで実際の損害に相当する金額しか請求できないのです。

 では、実際の損害がどう算定されるかですが、通常は周辺にある駐車場の料金が参考にされるようです。裁判の判例を見ても、近隣の駐車場の料金を元に、相当額を損害賠償金として認定しているケースが少なくありません。ですから、例えば、無断で駐車した時間が2時間だった場合、周辺のコインパーキングの料金が平均で30分につき200円であれば、800円が実際の損害として妥当な金額になります。

 オーナーの立場に立つと、不法行為をした者に対してそれしか請求できないのかと憤りを感じるかもしれません。路上駐車の場合、普通車であれば反則金として
1万円は取られるので、確かにアンバランスな感じは否めません。ですが、今の法律ではこれが限界です。オーナーとしては、あとは無断駐車を未然に防ぐことで、このような口惜しい思いをしないようにするしかありません。

 今回のテーマにもなっている広告での警告も、そのための有効な打ち手の1つです。その他の打ち手としては、車室内にカラーコーンを置いたり、監視カメラを
取り付けるといったものがあります。監視カメラについては、本物だとコストも馬鹿になりませんので、初めはダミーで十分だと思います。

 さて、このように無断駐車は基本的には民事に位置付けられ、損害賠償が発生しても大した金額にはならないということが分かりましたが、これはあくまで
ごく短い時間駐車をした場合です。何日にも亘って車を放置すれば、当然、損害賠償の金額も大きくなります。これは大阪で実際にあった事件ですが、コンビニの駐車場に約1年半に亘って無断駐車をした男が、裁判の結果、約920万円の支払いを命じられています。

 とはいえ、ここまで長期に亘って無断駐車をしても、威力業務妨害などの罪には問われていないのです。コンビニで万引きをすれば高い確率で有罪となり、前科がつきますので、それを思うとバランスが取れていないように思えますが、それが現実なのです。オーナーとしては、駐車場ビジネスにはこのような理不尽な現実があるということを、頭に叩き込んでおくことこそが大事なのかもしれません。

駐輪場ビジネスは、熱しにくく冷めにくい

 弊社ではパーキングビジネスの一環として、時間貸駐車場と時間貸駐輪場の両方を手掛けています。不動産会社が手掛ける駐車場ビジネスと言うと、多くの人は月極駐車場を思い浮かべるかと思います。最近では、時間貸駐車場をやっている不動産会社も見かけるようになりましたが、でもまだマイノリティです。弊社の場合は、それに加えて時間貸駐輪場もやっているのでかなり稀有な存在だと思います。

 さて、時間貸駐車場と時間貸駐輪場は、名称も似ていますし、パーキングや精算の方法も殆ど同じなので、ややもすると同じようなビジネスとして認識されがちです。しかし、少なくともビジネスとしての観点で言うと、両者は全くの別物です。ですから、駐車場と大した違いはないだろうと思って駐輪場を始めてしまうと、よっぽど外部環境に恵まれない限り、失敗してしまうと思います。

 ということで、今回は自らの体験も踏まえてこの2つのビジネスの違いを考えてみたいと思います。両者には様々な違いがあります。駐輪場ならではの特長は、ぱっと思い付くだけでも次のようなものがあります。

 1つ目は、運営できる場所が限られます。これは実際にやってみて身に染みたことですが、駐輪場は駅のすぐ傍、歩いて数分以内の場所でないと成り立ちません。
しかも、駅から近いだけではダメで、ユーザの動線上にないと皆、なかなか停めてくれません。前半では素人でも察しがつきますが、後半は盲点だと思います。駅前にある駐輪場がいつも満車だからと言って、ユーザの動線を考えずに駐輪場を作ってしまうと、このような失敗に陥ることになります。

 2つ目は、ビジネスとして軌道に乗るまでは時間がかかりますが、一旦軌道に乗ると安定しやすいです。これは、客層の違いに起因しています。例えば、駐車場の場合は色々な人が利用するので、利用者はこういう人という括りはできません。一方、駐輪場の場合は全く違って、利用するのはほぼ100%近隣の住民です。近隣と言っても、歩いて行けるような場所に住んでいる人は勿論利用しません。利用するのは、歩きだときつい距離に住んでいる人です。ただ、何kmも離れた場所の人も利用しません。このような人は、隣の駅などの近くにある駐輪場を使うのが普通です。

 しかも、駐輪場の場合は利用者の殆どが常連客です。これは、殆どのユーザが通勤や通学、毎日の買い物などの途中で利用するからです。何かの折に一度利用して、その時に特に不満がなければ、次からはその駐輪場を利用するようになります。このような事情もあり、駐輪場は常連客の数が増えるまでは空きが目立ちますが、一旦埋まってしまうと常連客が離れることはあまりないので、稼働率が安定しやすいのです。

 3つ目は、天候の影響を強く受けます。これは想像しやすいと思いますが、雨や雪が降ると自転車に乗る人は減るので、駐輪場の利用者も当然減ってしまいます。
駐輪場の場合は特に朝の天候が重要です。朝に雨が降っていたり、或いは降りそうだったりすると、利用者は一気に減ってしまいます。弊社の駐輪場でも、雨が降りそうだと通常の半分、雨が降ってしまうと2~3割まで減っています。また、駐車場の場合も影響が全くない訳ではありませんが、駐輪場に比べるとほぼないに等しいです。

 4つ目は、集金に手間がかかります。弊社の場合は、駐車場、駐輪場のいずれでも、約10万円が貯まったのを目安に集金していますが、駐輪場は殆どが硬貨
なので、特に銀行に入金する時が大変です。これは言わずもがな、料金単価の違いに起因しているのですが、コロンブスの卵みたいなところがあって、開業してからその大変を痛感しています。

 駐輪場の精算機を検討する時に、Suicaなどの電子マネー対応をつけるべきか結構悩みましたが、初期費が余計にかかるのと、手数料が3%取られるのを理由に諦めた経緯があります。今の稼働率ではまだ導入するのは難しいですが、もう少し稼働率が上がったら、導入を検討しても良いと思っています。駐輪場の管理はクラウドシステムでやっているので、集金の作業がなくなれば、現地に行く必要がほぼなくなります。

 5つ目は、ロール紙の減り方が少ないです。駐車場の場合は、特に平日は営業や工事など業務用の車の割合が高く、レシートが印刷される場合が多いので、だいたい1か月でロール紙が1本なくなってしまいます。一方、駐輪場の場合は一般個人が中心なので、レシートを利用する人が少ないようで、初年度は1本なくなるのに1年かかりました。

 駐車場をメインでされている方の中には、この土地はスペース的に駐車場が難しいので駐輪場にしようと考えることもあるでしょう。しかし、これまで書いた通り、
両者の間には大きな違いがありますので、まずはその違いを頭に入れた上で行動を起こすことが大事です。また、一旦投資してしまうと、軌道修正しようと思っても難しかったり、可能であっても追加資金が結構かかったりするので、フィージビリティスタディは手間がかかっても念入りに行いましょう。

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